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大学の頃、周利槃特(シュリハンドク)を学ぶ機会がありました。

別名では「周利槃陀伽、パーリ語ではチューラパンタカ」と言います。

みなさんは「天才バカボン」という漫画をご存知かと思います。

あの「レレレのおじさん」のモデルが周梨槃特になったという話があり、親近感を覚えた記憶があります。

なんであのキャラが仏教と関係しているのか。

漫画家の赤塚さんは仏教を学んでいた方ではないかと思います。

そしてバカボンの由来は、最初は「バカなボンボン」だと思っていました。

しかし本当は、サンスクリット語の「バカヴァッド」という言葉から取っているみたいです。

その意味は、「覚れる者」=「ブッダ」。

つまりお釈迦さまという意味なのです。

よく言うセリフに「これでいいのだ」という言葉がありますが、

これは悟りの境地を、赤塚さん的に一言で表すと「これでいいのだ」になると聞いたことがあります。

へー。そうなんだ、なんか深いなと大学の頃に感心しました。

シュリハンドクのお話ですが、釈迦の弟子中、もっとも愚かで頭の悪い人だったと伝えられています。

とても物覚えが悪く、自分の名前まで忘れてしまうので、名札の「名荷」を首にかけていましたが、

それさえも忘れてしまう程です。

自分はなんて愚かなのだろうか。もうここにはいられないな…。

そんな思いでお釈迦さまの所に相談にいきました。

お釈迦様は、「自分が愚かだと気づいている人は、愚かではない。

自分は賢いと思い上がっている人こそ愚かなのだよ。」と諭して、

シュリハンドクの掃除好きを見越して、一本の箒を渡しました。

そして「塵を払わん、垢を除かん」 (塵をはらいましょう。垢をのぞきましょう。)

と唱えながら掃除をしてくださいと伝えました。
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シュリハンドクは、こんな短い言葉でも忘れそうになりながら、何年も何年も箒を持って

「塵を払わん、垢を除かん」と唱えながら掃除をしました。

当時のインドは、日本のようにキレイに舗装されていません。

道にはホコリどころか落ち葉や動物や人間の死骸など沢山あったことでしょう。

そして掃除をしても掃除をしても、箒で掃いても掃いても、また新たなゴミが出てくる。


毎日掃除をしてもキリがないことに気づきます。

「そうか、これは自分の心と同じだな」と悟りました。

自分は愚かで役に立たないと、自分で自分を値踏みして、自分を苦しめていたことに気づいたのです。

そして様々な思いが、次から次へと自然に湧いてきます。

仏教では煩悩と言います。

つまり煩悩によって、自分は苦しめられていたのだなと。

掃除をして道や部屋は綺麗にできても、自分の心を掃除するのはとても難しい。

しかし本当に落とすべき汚れは、「心の汚れ」かもしれません。

具体的には、三毒(貪欲・瞋恚・愚癡)です。

これは仏教の代表的な煩悩です。

むさぼり、怒り、真理を知ろうとしない心。

これに苦しめられていたのか!そんな発見だったのかもしれませんね。

後にお経をマスターできなくても、お釈迦さまの立派な弟子になりました。

お釈迦さまは対機説法といって、

相手の様子や状況に合わせて言葉や表現を変え、真理に導く伝え方をされています。

決して自分よがりの一方通行な教え方はしませんでした。

掃除からでも仏教は入っていけるということをシュリハンドクは証明しました。

というより、仏教はどっからでも入口はあります。

逆に言えば、これでなければ仏教ではない、というものはありません。

仏様の智慧の光は、ありとあらゆる所まで突き抜けているからです。

ちょっと面白い話ですが、とても勉強になります。

南無阿弥陀仏


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林高寺「寺ヨガ」
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